暗号通貨の取引をする上で欠かせないのが、「マイニング」と呼ばれる作業です。ここでは、マイニングについて説明します。
マイニングとは?
ビットコインの取引を行う際に、その取引が正しく行われているかを検証・判断して承認が行われるのですが、この作業のことをマイニングと言います。そしてマイニングを行う者のことをマイナーと呼び、報酬として、新規に発行されたビットコインがもらえます。
マイニングが行われることで、ビットコインの取引が成立します。
この一連のマイニング作業は約10分間かかり、その都度、取引データが収められたブロックが一つ生成され、取引が承認されます。
マイニングの参加方法
マイニングを行うには、個人で行う方法と、企業や組織など集団で大規模に行う方法があります。
ビットコインが始まった当初は、個人単位でも行っていましたが、参入者が増えるにつれて、競争が激しくなりました。膨大な計算量が必要とされ、大規模で高性能なパソコンでないと追いつけなくなってきたのです。
計算処理にかかる電気代も大きいので、マイニングを行う場所も電気代の安い中国や北欧、装置の冷却の必要がないロシアなど寒い地域が多いです。
集団で行うマイニングには、個人が専用のパソコンで参加する方法と、クラウドマイニングと言って、マイニングを行う企業や組織に出資して、成功報酬をもらう方法があります。
このような集団で行うマイニングを「プールマイニング」と言います。これからマイニングに参入しようとした場合、かかる経費や運用から得られる報酬面も考えると、プールマイニングが現実的です。
ビットコインの新規発行量
1回の報酬でもらえるビットコインは、約4年ごとに報酬が半分となる半減期と呼ばれる仕組みを取っています。
運用が開始された2009年には、1回(1ブロック)あたり50BTCでしたが、それから4年後の2012年には一度目の半減期が起き、50BTCの半分となる25BTC、さらに4年後の2016年には二度目の半減期によって、その半分の12.5BTCとなっています。そして、2020年頃には三度目の半減期により、6.25BTCと、だんだんと新規発行量が少なくなっていきますが、半減期により、発行量を減らしても、その希少性から価値が上がると考えられています。
しかし、ビットコインの発行上限は2100万BTCなので、このままでいくと、2140年には発行上限を迎え、ビットコインの新規発行がなくなる予定です。
その後、マイナーの報酬は取引手数料のみで運用していくと予想されていますが、まだ不確かな部分も多く、決められていないのが現状です。
「プルーフ・オブ・ワーク」(Proof of Work)の仕組み
このようなマイニングによる一連の作業のことを、「プルーフ・オブ・ワーク」(Proof of Work)と言います。直訳すると「作業の証明」です。
取引データが正しいかどうか検証し、前のブロックとつなぎ合わせるために、幾つものコンピュータ同士が膨大な計算処理を行います。その計算が一番早く完了した者に報酬を与えることで、取引を成立させる仕組みです。
従来のシステムでは、単独の管理者によって取引の不正チェックが行われていましたが、「プルーフ・オブ・ワーク」によって、管理者が存在しなくても、コンピュータのネットワークによりビットコインの改ざんや不正を防止する役割が果たされています。
このようにマイニングは、ビットコインの取引をする上で、欠かせないものであり、マイナーの存在がなければ取引も成立しない仕組みになっています。